我が娘は2022年9月に中国の地方都市の公立小学校に入学して
1年生が終わり、まもなく2年生です。
私は入学手続き時と保護者会で2回小学校の中に入りました。
今回は、日本ではあまり知られていないであろう中国地方都市の公立小学校を
ご紹介したいと思います!
スケジュール
2学期制で9月始まりの6月終わり
アメリカなどと同じで9月始まりの2学期制です。
8月31日時点で満6歳の児童が入学します。11月生まれの娘は7歳での入学となりました。
夏休みと冬休みはそれぞれ1ヶ月半から2ヶ月程度あります。私の大学も同じ期間休みなので、帰国したり長期滞在型の旅行をしたりしてたっぷり遊びます♪
大学教師なら同じ期間休みですが、他の仕事をしている両親の家庭は当然親は仕事があるので、子どもたちは祖父母の家に預けられたり習い事を盛り沢山入れられているようです。
3年生以上になれば、サマーキャンプやウインターキャンプに数週間ぶっこむという方法もあります。(言い方…..)
ただし、小学校なので宿題もあります。
宿題は語文(国語)と算数、労働実践、美術の科目からそれぞれ課題が出され、量もまあまあ多かったので予定していた日本語の学習があまり進みませんでした・・・。(それでも政府の改革により以前より随分減ったそうです)
1日の時間割
私たちが住んでいる地域は冬が氷点下30度近くになることもある極寒の西北部なので、サマータイムが導入されています。よって夏と冬で30分時間が違います。(写真は冬時間)
登校時間は1年中同じで、朝は7時50分から8時の間に登校。ただし毎週月曜日は運動場で「国旗掲揚」(出た〜愛国教育!)のため5分早く登校します。
午前中に4限目まであり、昼休みがなんと2時間半!!夏に至っては3時間!!最初知った時はおったまげました。
大学でも昼休みは冬2時間、夏2時間半あるのでそんなに驚くこともないのですが、長すぎ〜と思いましたね。この長い昼休み、中国の公立小学校では学校給食がないので面倒を見られる保護者がいる子はいったん家に帰ります。
そうでない子は「小饭桌」という学童のような場所で過ごします。娘はここに行かせています。
私も大学がある日は送迎に間に合いませんし家にいる日でも1日2回も送迎するなんて大変・・・ですよね。
小饭桌では昼食を食べさせてくれて、お昼寝の時間もあります。
そして午後2限授業をして、冬は4時20分、夏は4時50分に下校です。それでも日本より遅いですね。昼休みの時間分、遅くなっています。
その後、“课后延时”という放課後の補習授業&課外活動があり、これは任意で有料です。
有料と言っても1時間2元(40円)くらいで週5日1ヶ月でも80元(1500円)程度です。そしてこれに行かせると下校時間は冬6時、夏6時半になるので働くママでもお迎えに行けます。
なので、ほとんどの子が参加しています。参加していないのはクラス45人中2〜3人で、入学から1週間は様子見のため行かせていなかったら娘は逆に帰る時恥ずかしいという程でした。
入学してすぐに1年生もこの延長授業が始まりました。慣らし時間というのは設けないのが中国流でしょうか。
ちなみに中国の小学校は送迎必須です。学校の目の前に家がある子などは1人で歩いて登下校している子もいますが、学校の目の前が道路で結構危ないので先生は親が送迎するように言っています。
全てのイベントや長期休暇の始まりと終わりは直前まで知らされない
これは幼稚園もそうですし、大学も似たようなものなので”中国流”と言っていいのかなと思いますが、なんでも前もって日程が知らされるということがありません。日本なら1年の予定表を入学時にもらえますがそんなものありません。
運動会のお知らせは3日前。やるから保護者も来てね〜(しかも平日)
長期休暇のお知らせは遅いと前日のこともあります。そして休暇が始まっても一体いつまでなのか通知がない・・・みんな例年を参考にしたり先輩ママの経験を聞いて推測してます(汗)
なのでギリギリまで旅行のチケットも買えないんですよね・・・まあ、みんなが同じ状況ですが。
そしてこの「予定は未定」スタイルに対応するには迅速な行動力と機敏性、臨機応変に対応する適応力が不可欠です。これが苦手な人、日本人には多いと思います。日本はなんでも前もって前もって計画を立てて告知する社会ですから。
例え運動会の通知が3日前でも、当日の朝に突然キャンセルになったとしても、仕事の都合をつけて動くのが中国の親です!
ちなみに私は元から「石橋を叩かずに渡る」「ちょっとコンビニ行ってくる感覚で海外に行ってしまう」行動力と機敏性の塊のような性格なので中国の方が圧倒的に性に合っています。
学習について
学習科目
1年生の学習科目は
国語、算数、美術、道徳、音楽、体育、労働(図工のようなもの)総合実践(生活指導のようなもの)、他に課外図書を読む時間が設けられています。
中国の小学1年生がどうやって中国語を学ぶのかがわかって、成人してから中国語を学んだ私には大変参考になりました!
特にピンインの覚え方が私が学習した時と少し違っていたので、私も発音練習をもう一度やり直したいと思っていますが、今はなかなか時間が取れずにいます・・・。
日本在住の中国語上級学習者さんや中国語講師の方の中にはこの1、2年生の語文の教科書を朗読や暗唱に使われている方もいらっしゃるようです。低学年ならピンインも振ってあるので、中国語学習者にとっても非常に有益なやり方だと思います!
学習で重視されること
姿勢
中国では小学校に上がる前の1年間、幼稚園の大班(年長組)で小学校入学準備をしてくれます。小学校のように並べられた座席に着席し、まず徹底的に叩き込まれるのは姿勢です!
姿勢が崩れていると怒られるそうです。そして椅子は日本の学校のように背もたれのある木製の座り心地のいいものではなく、硬い腰掛けです。保護者会で2時間ほど座っていましたが、1日中これはきついなあと思いました。
愛国心
(大学の入学式で新入生による軍事演習ショー)
中国では幼稚園から成人まで強い愛国教育が行われます。
(幼稚園の敷地内の壁に貼ってあるスローガン)
軍人を尊敬し、軍について学び、戦争と建国の歴史を学び、共産党に忠誠を尽くすというもので、全ての教育機関で必ず学生に学ばせなければならないものです。
幼稚園でも軍人指導の軍事演習ごっこがありましたし、(娘はゴジラと闘う人の服着たよって喜んでましたが・・・)小学校では毎週月曜日の朝10分早く投稿して、校庭で国旗掲揚があります。教科書にも人民解放軍についての項目があり、軍を尊敬するように指導されます。
中国の軍の敵国は、、、と考えると私は日本人として娘がこのままこの教育を受け続けることについて何も考えないわけにはいきません。もうすぐ理解できる年齢になるわけですし、私が中国の公立学校をやめて私立国際部か別の国の選択も常に念頭に置いているのはこの愛国教育の激しさが大きな理由の1つです。
宿題
中国の学校は宿題が多いという噂を聞いたことがあるかもしれません。実際は・・・多いです!
2021年に政府が小中学生を対象に「宿題軽減、学習塾禁止令」を出しました。「小学1、2年生は筆記の宿題を禁止する」となったようなのですが、2022年から小学生になった娘の実際の宿題はというと、筆記・・・あります(苦笑)
学校がある日の宿題は、国語の復習で主に習った漢字を練習して単語を調べて3つほど書くというもの、算数は計算練習です。大抵は放課後の課外授業の時間で終わらせて帰ってきます。学校の中で筆記を終わらせることで「宿題ではない」とし、政府の命令に従っているように見せているみたいです(笑)。
筆記ではない宿題は、古詩の朗読暗唱、歌を歌うなどで、動画や音声の提出を求められます。算数は毎日計算ドリル1枚を推奨されています。あくまで推奨で強制ではありませんが、オンラインで記録して毎日提出した子にはデジタル表彰状が与えられるので、頑張ってやっている子がほとんどです。
長期休暇中の宿題は、なんだか複雑です。日本の小学生の夏休みの宿題といえば、国語と算数のドリルと自由研究、工作くらいだったと記憶していますが(今どうでしょうか)、中国の公立小学校(うちの場合)の宿題は全科目から工夫を凝らした課題が出されます。
国語:漢字練習1日5文字1つの字につき1回、ピンイン1個、単語3個 合計200文字
成語20個を紙に書く、硬筆作品2枚、読書カード、古詩暗唱8首、古詩の背景画2枚
算数:毎日100以下の計算問題10問、お小遣い帳記録
創作課題:「単語ポスター」2枚作成(日常みる単語の中で読めるものを集めてポスターにする)
野菜果物の絵3枚、図形の絵3枚
実践活動:家事を手伝い、写真つきの手伝いノートを作成、1週間に1つ童謡か古詩を朗読して録画
体育:1分縄跳び(目標100回)、1分座禅及びストレッチ 毎日
どうでしょうか?このセットの宿題が3セット提示されて、好きなセットを1つ選んで完成するというやり方になっています。かなり細かくて複雑だなと思います。それでも大きい子のいるママ友によると以前に比べてかなり減ったということで、軽減令が出される前は小学生も夜11時までやっても終わらない、夏休みも遊べないくらいで社会問題になっていたそうです。
旅行中も漢字練習ノートと計算ドリルは持参してできるだけやらせていました。これを書いている現在あと5日で夏休み終了ですが、まだ全部は終わっていません。こんな感じなので、なかなか日本語学習まで手が回りません・・・。これで「減った」なんて昔は怖いですね。タイミング的にはちょうどいい時期に娘は小学生になりました。
コメント