2023年の夏休み、私は子どもと一緒に四川省の九寨溝(Jiǔzhàigōu)と黃龍(Huánglóng)へ行ってきました。これらは“中国国内の一生に一度は見たい55の絶景”の1つとして、世界的にも有名なエリアです。憧れのこの場所への旅行はやや難易度が高めですが、私の経験を基に、外国人の個人旅行での行き方を徹底解説します!
九寨溝への行き方
九寨溝ってどこにあるの?
九寨溝は四川省の西部、省都の成都の西北部に位置する阿坝州(アバ)の中にあります。アバは正式名称アバチベット族チャン族自治州、人口の半分ほどがチベット族、30%ほどが羌族(チャン族)の少数民族の州なので、美しい自然以外にも少数民族の文化を楽しむこともできます。
成都から九寨溝へのアクセス方法
- 成都から現地ツアー
中国の旅行サイト、携程(Ctrip)には、成都から1泊2日、黄龍も入れて2泊3日のツアーなどがあります。中国人向けツアーのため、中国身分証番号の入力」が必要で、パスポートなどの選択肢がないツアーがほとんどでした。「小さいツアーでガイドの能力に限界があるため外国人は受け入れられません」と表示されるものがいくつもありました。そのため、ツアーで行きたい場合は日本の旅行会社主催のものなど外国人向けツアーに参加するのが無難です。割高にはなりますが。あるいは国際的ホテルのフロントなどで参加可能なツアーに申し込めるかもしれません。
2、成都から飛行機
九寨溝へは成都から飛行機が飛んでいます。1時間で到着して空港から九寨溝景区へはバスが出ているようです。今現在片道1000元程度です。お金より時間と労力を節約したい方にはいい方法です。
3、成都から直通バス
私たちはこの方法を選びました。成都市の成都旅游集散中心(新南门汽车站)(Xīn Nán Mén Qìchē Zhàn)で直通バスのチケットを買うことができます。
片道大人168元、子ども半額です。
他にも成都東駅発着、茶店子客运站発着のバスがあるようです。
私たちが行ったバスステーションは新南門という場所にあり、地下鉄3号線で行けます。成都市1番の繁華街「春熙路」から徒歩20分くらいの場所です。
ちなみに4日前からしか購入できないので早く行きすぎないようにご注意を。帰りのチケットは4日前より短いなら一緒に購入できますが、行きのバス車内でも買えます。
直通バスは約8時間の長旅。休憩所のトイレはニイハオトイレ!
朝8時15分、チケットを購入した新南門のバスステーションから乗車しました。普通の観光バスなので、座席の間隔も狭く、リクライニングもあまりできず、USB充電もありません。エアコンはありました。これで8時間は決して楽ではないですね。
バスには運転手の他にガイド役が乗っており、九寨溝の注意事項など説明してくれます。アバ州に入ってからは車窓の景色も大草原や高山、建物もチベット文化が感じられ楽しめます。途中から山道になるので車酔いする方はご注意ください。
4回休憩があるのですが、休憩所のトイレが出た!ニイハオトイレ。ドアなし、下の汚水が流れる部分がみんな繋がっているレトロなトイレです・・・。無理な人はバスで行くのは諦めた方が無難です(苦笑)少数民族が暮らす地区ではまだまだこんな感じなのかなあ、と漢民族が暮らす都会との格差を感じざるを得ません。
ここで果物や羊肉串、お土産などを買うこともできます。雨具や防寒ジャケット、サングラスなどを売っている店もありました。
帰りのバスは基本的に降車した場所から乗る。
九寨沟景区に入ると、たくさんのホテルや客栈があります。中程に旅游集散中心(汽车站)つまりバスステーションがあります。
バスが入ってきた方からこのバスステーションまでの間のホテルをとっている人はホテルの近くで降ろしてくれます。このバスステーションより東側または南側のホテルをとっている人はみんなこのバスステーションで降車することになります。
そこからは宿の送迎サービスを利用するかタクシーで宿まで行きます。私たちが予約した客栈はここより東側の龙康村という場所だったので、ここで降りて宿の人に迎えに来てもらいました。
帰りのバスは基本的に降車した場所から乗ります。バスステーションで降りた人は帰りも自分でここまで行き、行きの車内でもらった予約票を見せて座席が割当てられたチケットに交換してバスを待ちます。
中国の観光バスの乗り方はなんだか曖昧で、事前にガイドや運転手と電話連絡が必須なので、外国人には難易度高めです。
九寨溝でのホテルの選び方
九寨溝の中心エリア、特に九寨沟景区や游客中心のエリアが便利です。国際的なホテルだけでなく、風情のある客栈(guesthouse)も多数あります。
私たちが宿泊した九寨沟鑫涛阁藏家客栈
宿を予約する時は地区が記載されているので、計画や好みに合わせて選びましょう。と言っても行ったことがなければどこにしたらいいのかよくわからないと思いますので、参考までに各エリアの実際に行ってわかった違いをご紹介。
ホテルが集中している中心エリア
バスの乗降車やメインの九寨沟観光の交通の利便性重視→近九寨沟景区,游客中心のエリア
千古情という夜のショーを見たい→千古情エリア
周囲に飲食店も多く賑やかな場所です。ツアーで行く場合は大体このエリアのホテルになるようですね。シャラトンやハワードといった国際的ホテルもこのエリアにあります。
風情のある客栈(guesthouse)エリア
私が選んだのは九寨沟景区から車で7分、バスステーションからは5分ほどの場所で、飲食店少なめの静かな山の麓です。趣ある客栈に泊まってみたかったのでここにしました。
画像:Agoda
チベット族の衣装を着て写真を撮ることができます。(無料)
木の温もりが山の雰囲気を盛り上げてくれて、とてもいい宿でした!風景区やバス乗り場までは無料で送迎してくれるので安心です。
九寨溝の効率的な周り方
外国人はWechatの公众号か窓口でチケットを購入
外国人はWeChatの公众号「九寨沟」でパスポート番号を使って入場チケットを購入可能。購入完了後のQRコードを入り口でスキャンすればOKです。現地窓口でも購入することができます。
おすすめ観光ルート
九寨溝は透明度が非常に高い美しい池がいくつもあり、それを順番に見て回ることになります。
2023年現在、入り口に入ってまず全員観光バスに乗ります。観光バスに乗るとき多くのラインに行列ができていますが中国のID番号を持たない外国人はここに並ばないで一番左の人がいるところへ行ってください。そこで手書きでパスポート番号を登録する必要があります。
周り方1:入り口→長海
バスで入り口から一気に一番北の”長海”まで行きます。行きのバスは左側の席がお勧めです。池が全部左にあるからです。バスは頻繁に来るので満員なら見送っていい席を確保しましょう。40分くらいです。バスを降りて少し歩くとすぐにサファイヤ色の長海を眺めることができます。
ここでチベット族の民族衣装やカラフルな髪の編み込みを売ってくるおばさんがたくさんいます。
娘はやってもらいました。このヘアスタイルで80元。安くはないですね。まあ映えるからいいか。
若い女性はチベット族衣装をがっつり来て写真撮影に忙しいです。
2:長海→五彩池
歩いて九寨溝で五彩池へ行きます。徒歩約20分くらいです。
ここは小さい池ですが、色がとても神秘的です。自然でこんな色、すごいですよね〜。
私たちは9時半ごろ入り口に到着したのですが、ここを見終わったらすでに11時を過ぎていたのでこの池の近くの売店のテラス?のような場所で床に座って持参した昼食を食べました。朝宿を出るときに朝食屋さんで小籠包と青稞饼というパンみたいなものを買って持って行きました。
3:五彩池→诺日朗中转站→诺日朗瀑布
ここからバスに乗って诺日朗中转站へ行きます。ここが九寨溝で唯一のレストランがある場所でバスの乗り換え場になっています。ここのレストランは値段が高いらしいですし、昼食は持参するのがオススメです。大抵の人が食べ物を持ってきて階段や休憩用ベンチ、売店のテラスなど適当な場所で食べていました。レストランは1カ所だけですが、飲み物やお菓子などを売っている売店はたくさんあります。
ここから少し歩いて诺日朗瀑布を見に行きました。
4:诺日朗中转站→原始森林行きバス
バス乗り場に戻り、原始森林行きのバスの乗り換えます。このバスは右側の席がおすすめです。私たちは終点の原始森林まで行ったんですが、ここはひたすら森の中でさして見所がないので行く必要なし!途中の箭竹海または熊猫海で降りましょう。時間と体力を節約できます。
5:熊猫海→ 五花海 →珍珠滩→ 珍珠瀑布 →镜海
このエリアは池が集中しており、平らな遊歩道なので歩いて回ることができます。すべてバス乗り場もあるので時間がない場合や体力を温存したい場合はバスを乗り降りして回るのもいいです。
午後2時ごろ、にわか雨が降りました。山の天気は変わりやすいので雨具は必携です。
写真を撮ったときにメモしていないのでどれがどの池の写真か覚えていません・・・。全部本当に信じられないくらいの透明度と色できれいでした!
6:诺日朗中转站→犀牛海→树正群海→出口
そして诺日朗中转站に戻ります。ここで出口行きのバスに乗り、時間と元気があれば途中の犀牛海などを降りて見学します。私は子ども連れというのもあり、小雨も降っていたのでこのバスでは一度も降りず、車窓から眺めて終わりにしました。このバスでは右側の席がオススメです。
出口へ向かうこのバスでは途中で降りる人は少なかったですね。みんな少し疲れているしすでにたくさん池を見たのでもういいやという気分になっていると思います(苦笑)。
子ども連れで全行程6時間半(昼食休憩込み)
私たちは朝9時半に入場して、午後4時に出てきました。直通バスのガイドさんによると団体客は8時半ごろに入るのが多いから朝7時半前に入れと言っていましたが、私はあえて遅めにしました。
みんなが朝一に入るなら逆に遅めに入れば混まないのでは?と思ったのですが、正解でした。入り口も観光バス乗り場もさほど混雑しておらず、比較的スムーズに乗ることができました。ツアーの紹介などをみても観光時間は6〜7時間程度が妥当みたいです。
九寨溝観光に必要な持ち物
九寨溝観光のオンシーズンは4月〜11月、中でも最も美しいのが7、8月の夏とされています。私は7月に行ったので夏の持ち物をご紹介させていただきますね。
服装
基本:半袖Tシャツ+春夏用のパンツ+スニーカー+帽子+リュック
日焼けしたくない女性は+UVカットの長袖パーカーなど。高山の日差しはめっちゃ強いので日焼け対策は必須です!
やはり登山用の帽子が一番オススメです!サングラスは一応持っていましたが、せっかくの絶景をクリアに見たいのでかけませんでした。
夏の持ち物
- 薄手のフリースかパーカー、ウインドブレーカー
7、8月の平均気温は19〜22度、最低気温は6度くらいの日もありますがそれは朝晩なので、観光する日中は涼しい程度、冬用の装備は必要ありません!日本の春秋用の上着を1枚リュックに入れておきましょう。中国人は寒さを怖がるため中国人の旅行サイトを見ると「夏でも冬用のダウンやウインドブレーカーを持っていけ!ニットキャップや手袋も必要だ!」とか書いてありますが、全然そんなことないです。私はより標高の高い山にも行く予定にしていたので一応スーツケースに入れていましたが、一度も出しませんでした・・・。 - ストール
女性は防寒日焼け対策として1枚持っておくことをお勧めします。バスの休憩所や麓の売店などそこら中で刺繍入りの可愛いのが売ってます。安いですしチベット風で可愛いのもたくさんあるので現地購入も全然OKです。 - 雨具(かっぱ・折り畳み傘)
山の天気は変わりやすい(登山の常識)。にわか雨は毎日のように降るので雨具は必携です。簡易的なもので大丈夫です。現地売店で売っているのは水しぶき系のアトラクションのときに使うゴミ袋に穴を開けただけみたいなすぐ破れるやつなのであまりお勧めできません。 - 水
- お菓子、昼食など食料
売店でも簡単なものが売っていますが、持参するのがオススメです。昼食とおやつを持って行きましょう。カップ麺やお湯で加熱できるレトルト弁当を持参すれば売店や休憩所でお湯を入れることができます。 - ティッシュ、ウェットティッシュ
中国の公衆トイレは紙がついてないことが多いので必携です。山ではすぐに手を洗えないためお手拭き用のウェットティッシュも必要です。 - ビニール袋
余った食べ物や水に濡れたカッパなどを入れます。 - 携帯電話
- 現金
中国は山の中の売店もQRコード決済ですが、写真を取り過ぎて充電がなくなった時のために現金を少し持っておいたほうがいいです。 - パスポート
- スマホ充電器
山では町中ほど至る所に充電宝があるわけではないので、念のため持っておいたほうがいいです。 - デジタルカメラ
絶景めぐりの旅では写真や動画をたくさん撮影するため、スマホのバッテリーを消耗して、支払いやガイドさんとの連絡のときに充電がないなんて困ったことになる可能性があります。カメラが別にあればスマホのバッテリーを温存できます。それをよくわかっている若い中国人は結構デジカメを持ってきていました。
以上、しっかり準備して楽しい旅にしてくださいね!
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