中国本土と台湾の違い「住んでみた」実体験レポート

中国生活

20年ほど前、日本語教師養成講座修了間近の私は養成学校の先生に相談していました。

中国語圏に住みたいんですけど中国本土と台湾どっちがいいですかね?

そりゃ台湾だよ!中国って衛生的にも問題あるし人がちょっとねえ?台湾は親日だし食べ物もおいしいしめっちゃいいよ!

そうなんですねえ。じゃ台湾にしよう!

今から20年ほど前、2003年頃の中国はまだまだ発展途上で衛生面も確かに問題ありの状態だったと思います。私は大学生の時、1998年の中国北京を一度訪れていますが今のような高いピカピカのビルはなく、広大な土地が広がって古いバスの窓からは路上で卓球をする人々がたくさんいました。

当時も中国本土の日本語学習者は多く、日本人教師の求人は世界で一番多かったのですが、周囲の人のアドバイスと20歳の時にある日神からのお告げのように頭に降りてきた「台湾」という文字が離れず、私は結局行ったこともなかった台湾に2008年に旅立ちました。

そして台湾に4年ほど住み、台湾で出会った夫と中国広州に1年住み、その後マレーシアとヨーロッパを経て2019年から中国内陸部に住んでいます。(他に日本人がいない街なので都市名は伏せさせていただきます)

その経験から、中国本土と台湾。日本人が住むならどっちがいいのか、私なりに比較分析してみたいと思います!

中国本土・台湾 比べてみたら

言語

文字 中国本土:簡体字、発音ピンイン表記 台湾:繁体字、発音注音符号表記

一口に中国語といっても、中国本土と台湾の中国語は違います。
まず文字は本土は簡体字、台湾は繁体字を利用しています。本土は発音を表すのにピンイン符号を用いていますが、台湾は注音符号を使っています。日本で中国語を学習する場合は一般的に本土の中国語(普通話)であるため、日本人には本土の中国語の方が馴染みが深いです。

発音と語彙表現の違い

発音も少し違いますし、よく使う語彙表現も違いがあります。例えば大陸では「おはよう」を「早上好zǎo shàng hǎo」というのに対して台湾では「早安zǎo ān」というなどです。

私は日本で普通話を学んでから台湾に行ったので、最初は本土の人が使う中国語を使って台湾人に「大陸人」と笑われたこともありました。本土の人は台湾の中国語を「標準的じゃない。ダサい」などと言ったりします。(仲良くしてよね・・)

 

大陸人じゃん!ウケる(笑)

田舎くせ〜

なので、もしも移住の目的の1つに「標準的な中国語を習得したい」というのがあるのなら、本土を選んだ方がいいです。私は主に台湾で中国語を習得して台湾の家族までできたため、今西北部にきても台湾なまりがあるみたいで必ず「南方人でしょ。福建の人?それか広東省?」と言われます。

中国人の発音のクセを聞いて出身地を当てる能力には驚かされます。それに私の赤ん坊並みの言語吸収力も大したものですよね。数年いただけの地域の発音のクセを見事に身につけているなんて(笑)いや出身地日本の関西やけども。

ただ中国は広大で本土でも各地によって方言があり、普通話の発音(特にイントネーション)に違いがあります。私が今住んでいる地域は比較的なまりがなく標準的な北方の発音なので聞き取りやすいのですが、少し南に下って重慶、四川省へ行くと方言がキツくて非常に聞き取りづらいです。雲南省や貴州省など少数民族の多い地域は彼らの言葉がありますし普通話もなまりがあります。

中国人の話によると、東北地方、特に黒龍江省あたりは標準的で美しい発音とされるようです。(諸説あります)実際、同僚の黒龍江省出身の人の中国語は早口ですが発音が標準的なので私には聞き取りやすいです。

台湾の発音は日本人が苦手なh音が消えています。是 shi (シー)がsi(スー)になるなど。それに儿化もしていません。小孩儿(er)が小孩などです。なので聞き取りやすく真似もしやすいです。

標準的な中国語を身につけたいなら中国本土の北部がオススメ!
台湾の発音は日本人が苦手なh音がなく儿化もしていないため日本人には聞き取りやすく話しやすい。

気候

住むなら気候も大切な条件ですよね。暑いのが苦手な人もいれば寒いのが無理な人もいます。ご自分が適応できそうな気候の地域を選ぶのも1つのポイントかと思います。中国本土はなんせ大きいので地域によって大きな差があります。

各地域の気候の差はたくさん情報があり、少し調べればすぐにわかりますのでここでは私が暮らしたことのある場所のことを書きます。

台湾:高温多湿。夏は非常に蒸し暑い。冬は北部は意外に寒い(氷点下になることはない)が基本家に暖房設備がない。南部は冬も過ごしやすい気候。台風と地震が多い(特に東部の影響は大)
注意点:ゴキブリと蚊がめちゃくちゃ多いので虫が苦手な方はご用心を!
中国の気候分布図   作成:イラストAC +梨杏
中国華南地域:高温多湿。夏の蒸し暑さは台湾よりはマシ。冬もさほど寒く過ごしやすい。雨は比較的多い。
中国西北地域:乾燥地帯。夏は乾燥していて紫外線が非常に強い。冬は氷点下30度近くになる日もあるが湿気がないため体感温度はそれほど低くない。雪は滅多に降らない。春は黄砂が大量飛来し、砂嵐が来る日もある。風が強い。
黄砂で黄色くなった町
ちなみに中国三大火鍋と言われる夏非常に暑い地域は、重慶、武漢、南京のことです。また重慶は冬太陽が見られない町としても有名で、私は冬に3週間滞在したのですが、曇りと霧雨の天気ばかりで青空を見られたのは1日くらいだったと記憶しています。

街の発展度

中国の都市には階級区分があり、1から5に区分されています。一線都市は北京、上海、広州、深センで、どれも沿岸地域で国際企業が集中している街です。ここなら外国人も多いし様々な国の料理も食べることができ、イオンなどショッピングモールも充実していて非常に便利な生活を送ることができます。地下鉄やバス、高速鉄道も発展しているので交通も大変便利です。

2線都市は昆明、アモイ、ハルピン、大連など。ここも十分発展しているので住むのに不便は感じないでしょう。3線都市は洛陽、揚州、ウルムチ、フフホト、桂林など。観光に行くならいいけど住むと物足りなさを感じると思います。

常春と言われる美しい雲南省

4、5線都市に外国人が住むのは難易度がグッと上がります。私が今住んでいる都市はここです。外国人には名前も知られていない場所です。まずまともな日本料理屋は一軒もありません。マクドナルドもスタバもありません。大した観光名所もないので外国人観光客も来ません。

町中で日本語や英語を話すとめっちゃ見られます。よって超ローカルな暮らしを余儀なくされます。バイクや車に乗る必要性もあるかもしれません。


今の私たちにとってマックはご馳走。大都市に行くと真っ先に食べます。

日本にいるのと変わらない便利な暮らしをしたい。日本人や外国人と交流したい。中国語があまりわからない。清潔じゃないと無理。オシャレ大好きお買い物大好き。日本に頻繁に帰りたい。→一線都市
中国人と交流したい。日本人や外国人の友人はいらない。中国人と同じ生活がしたい。日本にはそんなに帰らなくてもいい。ドアオープンなトイレも許容できる。ノーメイクライフ万歳。中国語が流暢である。→
4、5線都市

人柄、国民性

人間の幸福度は環境以上に人間関係によって決まります。友達ができるかできないかで海外生活の充実度は天と地ほど差が出ます。なのでその地域の人の人柄、国民性はとても大切なポイントです。

台湾:非常に親日。開放的でフレンドリー、親やすい。日本人大好きな人が多いので店員さんでも秒でLINE交換、友達になれる。日本語も通じやすい。

台湾は日本人にとってぬるま湯に浸かっているくらい快適なところです。本当に親日で日本語ができる人も多いです。日本統治時代を経験している高齢の方に日本人というだけでお礼を言われたことも2回ほどありました。これは感動的な体験です。

南方の人は開放的でフレンドリーな人が多いため、交流しやすく、作ろうと思えば友達はすぐにできると思いますが深く付き合えば当然いろいろな側面が見えます。(もちろん個人差があります)

中国本土:北方と南方でかなり違いがある。南方の人は開放的でフレンドリーな人が多い。沿岸の大都市の人は外国人慣れしているため外国人でも受け入れてもらいやすい。北方の人は警戒心強め、特に内陸部の人は外国人にも慣れていないので簡単に友達にはなれない。でも一度友人認定されると家族に近いくらいものすごく親切にしてくれる。

反日の人も一定数いる。戦争時代のことや台湾との関係など触れてはいけないタブーがたくさんあって会話にやや気を遣う。
南方の沿岸一線都市、広州に住んでいた時に出会った人々と、西北部4、5線都市にいて出会う人々は本当に全然違います。昔深センに住んでいたアメリカ人の同僚も同じことを言っています。なので若くて友達がたくさん欲しい人や、飲み会やパーティー、イベントなどに参加したい人は間違いなく大都市がいいです。

食べ物

「人最改不了的是胃」(人間一番変えられないのが胃袋(味覚)なのよ)

これは中国ドラマ「都挺好」のセリフです。アメリカに移住している中国人女性が中国の家族と中華レストランで食事をした時の言葉です。

海外で生活していると本当にこれを実感します。私が一番好きな食べ物はお寿司ですし、たった3年しか日本で生活していない娘も一番好きな食べ物は納豆です。中国の田舎でも私が作る料理は日本食ばかりで、同僚のアメリカ人はよくマフィンやアップルパイを焼いています。

バナナナッツマフィンを焼いたんだ。よかったら食べるかい?

 

欧米か!あ、欧米か。

それほど食は大事なものなので、住む地域の食べ物が口に合うかどうかは気になりますよね。
台湾:甘めの味付けが多い。海鮮料理も多く日本人好み。日本料理屋も多い。
中国:地域によって味付けが違う。醤油味ベースの広東料理や唐辛子味の四川重慶料理など。大都市なら日本料理店や外国のレストランも豊富。デリバリーが非常に発達している。

台湾は本当に日本人にとって美食天国です。太らないよう注意!
中国のローカル料理は地域によってかなり違います。私が今住んでいる西北地域は唐辛子味がベースで、外食ではほぼ全ての料理が辛いです。(本当の話・・・)こちらのピリ辛は日本の激辛です!

日本食材が手に入る店もないため、タオパオ(ネット通販)で購入して納豆などは冷凍のものを取り寄せています。中国はデリバリーが非常に発展していて、スマホでポチッとすれば30分ほどで食べたいものを届けてくれるので大変便利です。大都市ならマックやスタバ、寿司もポチッですぐに届くので最高ですね。
田舎ではやはり自炊度が必然的に上がります。私はこちらに来てから餃子は皮から、ドーナツやホットケーキは小麦粉から、トマトソースも生トマトから自分で作らざるを得なくなりました。おいしいパン屋もなければ便利な素のようなものも売ってませんので・・・。古代に近い暮らしで料理の腕をあげたいなら田舎を選びましょう!(どんな理由やねん・・・)
以上、現地就職などを考えていて居住地を選べるなら参考にしてみてくださいね!

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