子どもが母語を習得していく過程とは?いちいち教えるのは逆効果!

語学学習

私は外国人に日本語を教える日本語教師であり、今は子どもが母語としての日本語を習得していく様子を間近で見ています。

そして日本人に対する中国語学習コーチと英語講師の経験、さらに自分の学習経験も合わせて成人した人が外国語をどのように習得していくのか、という過程も熟知しています。

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先日、中国人が主催する中国語教室のお手伝いに行ってきました。先生は中国で小学校の教師をしていた人です。そこで改めてネイティブの子供に教えるやり方と外国人の大人に教えるやり方は全く違う、違わないといけない。

そう感じたので、今回は「子どもが母語を習得する過程」についてまとめてみます。

子どもが母語を習得する過程:語彙/文法

まず、どの国の子供もおなかにいるときから赤ちゃん時代ずっと周囲から聞こえてくる言葉をじっと聞いています。赤ちゃんから幼児までは、子どもの気持ちを親が「言語化」してあげることが育児の最重要な任務でもあります。

「ミルクが飲みたいのね」「痛かったね」「嫌なのね」

こうして自分の感情や知覚と親が言った「言葉」を一致させて、こんな時はこう言うんだな、と覚えていきます。1歳ごろから意味のわかる言葉を発するようになります。だいたい「ママ」とか「まんま」ですね。

子どもの母語習得過程(日本語の場合)

年齢語彙数できること
1歳半50前後2語文
2歳200前後ものをカテゴリー分けする
3歳1000前後質問文
なになに期
赤ちゃん期に習得した語彙の修正
4歳1500前後文字・数字の認識
助詞の理解
5歳5000〜10000感情や感覚を表現できる

1歳半ごろ一気に語彙数は50語ほどに増えると言われています。2語文と言われる文を話すようになります。

「ママ、どこ」「これ、いや」などですね。

日本語は「てにをは」つまり助詞が非常に複雑なので、この段階では助詞はまだ出てきません。

2歳になると語彙数は約200程度になり(個人差があります)2歳後半にもなると身の回りにあるものの名前をかなり言えるようになります。

救急車、ブルドーザー、など小さな子どもが大好きな働く車の名前や食べ物、動物、色。

子どもの語彙の習得は秩序やカテゴリー分けがない、としている研究もあるようですが、実は子どもの方が秩序をものすごく大事にしています。

園の理事長曰く、小さな子どもにとって物の並びや順番は太陽が東から上るのと同じレベルで絶対変えてはいけないものです!

小さい子供はきちんと「これは働く車グループ」「これは食べ物」「これは乗り物」と分けておぼえています。

だから幼児教材でも「この中で違うものな〜んだ?」とグループに入らない物あてクイズがよくありますが、それは幼児の脳の中でカテゴリー分けする能力があるから成立しているわけですね。

そして3歳ごろになれば「これは何?」と質問ができるようになります。

この頃は「なに」「なんで」が多い時期ですが親の説明をリピートしてぐんぐん吸収しているのがわかります。またこの頃は赤ちゃん時代に覚えた言葉の修正もしているようです。

たとえば2歳になったばかりの頃は液体を全て「お茶」と呼んでいました。自分が飲んでいたものがお茶メインだったので私たちはよく「お茶」と言っていたからです。噴水をみても、川を見ても、「お茶」と言っていたのでつど「これは、水だよ。」と教えて、しばらくするとお茶と水の違いが完全にわかったようです。

文法というのは小学校で始めて勉強しますね。それまでは生活の中で自然と大人が言う言葉を真似して文にしています。

そのように、身の回りのものを指す言葉や自分の感情や感覚を表現する言葉を周囲の大人からぐんぐん吸収し5歳ごろには5000〜10000語を習得するそうです。

子どもが母語を習得する過程:発音

語彙や表現はこのようにして習得していきますが、では発音はどうでしょうか?

発音においては口腔内の筋肉や骨の発達が影響してきます。その発達がまだ途上の幼児には苦手な発音がありますね。

「です」が「でしゅ」になったりはしますが、3歳にもなれば大抵の発音がきれいにできているのではないでしょうか。

子どもが発音を習得する過程は周囲から聞こえてくる音を真似する。

これに尽きます。

周囲の大人や大きい子が言っている言葉の発音をそのまま自分も発音しようと真似します。そのとき口の形や舌の位置などを意識している子供はいません。まだ口腔内の筋肉が柔らかく、どんな発音でも真似しようとすれば自然とできるようになります。

外国人学習者が苦手な「とって」などの小さい「つ」も全く問題なく発します。

日本語は発音は難しくないのでこんな感じですが、発音が難しい言語の1つである中国語ではどうなのでしょうか?受講生さんにもおすすめした中国人の子供向けの発音練習動画があります。

子どもの場合はこのようにリズミカルに、歌うように楽しく練習するのはどの言語でも共通かもしれません。

成人の外国語学習にも息抜きにこのようなリズミカルな動画などを利用するのはとても有効だと思います。

ネイティブの場合は、先に周囲から聞こえてくる音のインプットがありますので、後からこのようにルールや細かい違いを確認して聞こえていた音と一致させる、という順番になりますね。

子どもが母語を習得する過程:文字

文字はどうでしょうか?

日本語の文字の習得の順番

日本語ではひらがなから始めます。ひらがなカードで絵合わせをしてみたりひらがな表を貼って見せたりします。

まず、文字と発音を一致させることから始めて次に5,6歳で書く練習を始めます。

私の子どもが行っていた日本の子ども園の理事長によれば幼児には親が「これは「あ」と読むのよ、これは「い」だよ。」と1つ1ついちいち教えるのは向かないそうです。

そんな風にされると子供はストレスを感じる。

そんなことをしなくても、カードで遊んでいるうちに壁に貼ってあるひらがな表を毎日なんとなく眺めているうちにある日突然まるで写真を撮るかのように「パン!!」と全部覚えてしまうのだそうです。

いつの間にか全部読めるようになる。それだけ子どもの学習能力は凄まじいのです。

ひらがな、カタカナを覚えて小学校から漢字の勉強が始まります。

中国の子供はどの順番で文字を覚えるのか?

全部漢字の中国の子供はどうやってあの膨大な漢字を覚えるのでしょうか?

中国人の子どもはまずピンインを習います。耳で聞いていた音をピンインで表すことから始めます。その時に声調も基本原則として習います。

それから画数が少ない漢字や頻度の高い漢字を入れていきます。

例えば、yi(1)一qin(3)亲のように。

日本ではまだ習っていない漢字はひらがなで書いたりしますがそれと同じようにまだ習っていない漢字はピンインで書きます。

我xi欢你。のような感じです。

基本的には小学校で習い始めますが教育熱心な中国では幼稚園から漢字の練習を始めているところも少なくありません。娘が通っていた幼稚園でも年長からがっつり練習していました。

小学校低学年の間は漢字にピンインが付いていますが四年生になったらピンインはなくなるそうです。

台湾ではピンインではなく注音記号(通称ボポモフォ)をつけます。

「ㄅㄆㄇㄈ」←こういうやつです。

幼稚園の年長で注音記号を勉強して小学校に上がると漢字の勉強が始まります。日本では小学校一年で習う漢字は80個ですが台湾では400だそうです。

現在中国の公立小学校2年生1学期の娘は漢字を既に1000字ほど学習しています。

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