この記事では大学時代、それから社会人になって仕事で英語を使うようになってから主にスピーキング力を高めるために私がやっていた英会話トレーニング法をご紹介したいと思います。効果があったもの、効果がなかったものも正直に書きたいと思います。
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１、受験英語ではなく実践で使える英語力を身につけたい人
２、海外移住の予定があって英会話ができるようになる必要がある人
３、外国人とコミュニケーション取れる英会話力が欲しい人
効果があった学習方法
３行日記（初級から）
習得したい言語で３行日記をつけるというものです。５行でもかまいません。要は短い日記でいいということです。
聞いたことあるけど本当にこれで会話力なんて身につくんかいな？
安心してください。本当に身につきます！
３行日記がなぜ会話力をつけるために効果的かというと、自分の日常を表現する力がつくからです！母語での会話もそうですが、人が普段話したいことは自分の身の回りで起きたことや自分自身のことですよね。
ビジネスの場面以外で新エネルギーの発展や政治家の話について話す機会はあまりないと思います。私が今日本語を教えている中国人学生もそうですが、文学作品の読解やニュース聴解ができるのに「週末は何をしましたか？」という簡単な質問にとっさに答えられない人が多いのです。
話せないのは自分の日常を表現する言葉に慣れていないから！
例えば、先週の土曜日、私は子どもとショッピングモールに行った。子どもの体操教室があったからだ。体操教室に新しいコーチが入っていた。イケメンで娘も気に入ったらしい。
これを英語で言えますか？ショッピングモールってショッピングモールでいいんだっけ？体操教室って何ていうの？入っていた、はえっと・・・？
ってなりませんか？実は私たちは外国語においてニュースや文学などの難解な語彙ばかり覚えがちで、母語話者なら幼稚園児でも知っている日常の言葉を意外と知らないんです！
この自分の日常を表現する語彙と表現を覚えるのに３行日記が役に立ちます。実際の会話の時には単語が思いつかなくても調べることができません。時制があっているか自信がなくても目の前に外国人がいたら発話するしかないですが、日記ならゆっくり辞書や携帯で調べることができます。
そうやってコツコツ日記を続けていれば自分の生活を表現する力がついていきます。３行程度なら手帳に書くこともできるので手軽です。デジタル派の人はアプリなどに日記をつけてもいいと思います。
書いた後は音読しましょう！
絵本を読む（初級から）
３行日記のところで書いたように、会話力アップには日常的な用語の習得が欠かせません。それには小さな子ども向けの絵本がオススメです。英語圏の子ども向けに書かれた絵本には、日常生活で頻繁に使う言葉が溢れています。むしろそれしかありません。
絵本なら文章も短くて忙しい社会人も隙間時間に読めます。きれいな絵やかわいい絵のお気に入りを見つければ気分も上がって楽しく英語を覚えられると思います。
英語ニュースやドラマ視聴（上級者向け）
ニュースの効果的な使い方
大学の授業ではBBCやCNNのニュースを使った聴解授業がありました。効果的な学習方法は、例えばあるニュース「ハリケーンによる洪水で2000人避難」などの数分間を題材にするとします。
２、映像を英語字幕なしで見ながら聞く
３、映像を英語字幕ありで見る
４、あればスクリプトを見ながら聞く
５、少しずつ止めながら聞き取れなかった部分をチェック、未知の単語や表現なら発音と意味を調べてメモ
６、１文ずつ止めながらリピーティング、発音のコツ（音が繋がる部分や息継ぎの間など）メモ
７、全体を流しながらシャドーイング
８、1人で音読
こんな流れでしょうか。現在教師として日本語のニュース聴解授業を行う時も概ねこのような流れでやらせています。１の段階で大まかな内容を把握できているかを確認します。２で映像という補助があって理解できた部分を確認、３で音声だけで聞き取れなかった部分を自分で確認し、４で全体をしっかり把握するといった感じです。
ここまでは聴解力アップのための練習ですが、5から８で自分の発音とスピーキング力を鍛えることができます。CNNならアメリカ英語、BBCを使えばイギリス英語の発音とアクセントを練習することができます。
ドラマや映画視聴で得られること
ドラマや映画を観るときはできれば英語音声英語字幕で観るのが最も効果的です。でも特に昔は英語字幕がないことも多かったので、英語音声日本語字幕で観ることが多かったのですが、それでもドラマや映画は十分に効果があります。
最大のメリットは自然な口語表現を覚えることができることです。ニュースだと正式で硬い表現ばかりですが、ドラマや映画の中の日常会話では省略した形やスラングなどネイティブが普段カジュアルな場面で話している英会話をリアルに聞くことができます。
これは覚えたい！と思った言葉はできればメモします。すぐにメモしないと見終わって時間が経つと忘れてしまうことが多いですから。私は「ドラマノート」を作っていました。
もう１つはネイティブスピードに慣れることができることです。教材の音声や英会話教室の講師はゆっくりめに話している場合が多いので、現地で生活していない限りはなかなかネイティブのスピードに触れることができません。でもドラマならそれができます。どこを短く発音しているのか、縮約形なども覚えることができます。
さらにドラマや映画では文化を学習することもできます。英語話者の表情や口の動き、ボディランゲージから家族や友人の付き合い方、食事やビジネスマナーなど、画面越しではありますが幅広く文化に触れることができますね。
これは外国語習得に欠かせないスキルの１つ「なりきる」のに必須な知識と体験です。
今ではドラマや映画を題材にした英語学習アプリなどもあり、スクリプトを読みながらドラマ音声をきいて、かつ単語の意味まで表示してくれるようなものもあるので、時短で効率的に勉強ができる時代になりました。
NHKラジオ英会話
大学受験英語の学習にもNHKラジオ英語講座をオススメしていたんですが、成人の英会話練習にもおすすめできます！NHKはテレビ講座もあってそれももちろん楽しいんですが、やっぱりラジオの方が効果的です。
NHKの語学講座はテレビもラジオも、しっかり身につくようにその回で覚えたい文型をじっくり反復練習させてくれます。この1回１つのキーセンテンスを覚えるのが最も効果的で脳が喜ぶ学習方法なんです！
そしてシーンが設定されていてドラマ仕立てになっており、実際に使うシーンをイメージしながら楽しんで学習することができます。時間も15分で苦にならず続けられる短さですよね。何より聞くのは無料です！テキストは1ヶ月550円。お手軽です。
今私も時々アメリカ人と長い時間会話することがあるんですが、言いたいことが全部うまく言えなくてもどかしく感じることもあるので、今紹介しながらまたラジオ英会話やろうかなと思ってきました（笑）
今ならアプリやパソコンで聞いてテキストも電子版もあるので海外にいても問題ありませんね。
英会話教室（初級〜ビジネス）
私は国際貨物輸送のDHLに入社して電話オペレーターとして働いていた時、英語要員として英語の電話がかかってきた際の引き受け役だったんですが、当時大学卒業からすでに6年ほど経っていてその間に英語を話す機会もさほどなかったので最初はとっさに言葉が出なくて緊張しました。
マンツーマン英会話のGaba
そこで駅前の英会話教室に通うことにしました。選んだのはGabaです。Gabaはマンツーマンに特化した英会話教室で、様々な国出身の講師を事前にシステム上で選んで予約することができます。
講師は毎回変えてもいいしお気に入りの人ができればずっと同じ人を選んでもいい。当日の予約もできるしキャンセルも融通が効いて、忙しい社会人にはぴったりのシステムです。レッスン内容も自分の希望で進めることができます。
私は当時仕事で使う専門用語を使ったロールプレイを集中的にしたかったのでそれをお願いしていました。ノートは講師が取ってくれるので生徒は会話に集中することができます。後でポイントをまとめたノートをもらうことができます。
毎回「How was your weekend?」などの挨拶から始まるので、この短い日常会話練習で仕事以外の日常会話表現も習得することができたし、週に１、2回でも外国人と話をすることで、仕事の電話の時にも緊張しなくなり自信を持って対応できるようになりました。
当時は受講料が数十時間分一括払いで高額だったのでローンを組んで払いました。確か78万円くらい一括でした。今は月謝制が導入されたようで、通いやすくなったのではと思います。オンラインもあるみたいですね。
・予約も授業内容も融通が効いて自由度が高く、社会人向き。
・駅前で通いやすい
・外国人と面と向かって話をする時間があることで英語を話す際の緊張や羞恥心が取れる。
・カウンセリングやアフターフォローなどがありやる気を継続させやすい。
・他の学習者がいないのでたっぷり話せるし気兼ねしなくていい。
・たくさん話したい中上級者の欲求を満たせる。
・集中できる。
・受講料が高額（Gabaの場合1回40分月4回学割で月謝25600円〜）
・通うのが面倒になる可能性がある（通勤通学途中などできる限り便利な場所を選択しよう）
グループレッスン
グループレッスンを受けられる英会話教室はAEONやNOVA、ベルリッツなどたくさんあります。私は小学生の時にグループレッスンの個人経営の英会話教室に2年通っていました。後は日本語教師として台湾の日本語学校でグループレッスンとマンツーマンレッスンのどちらも指導した経験から、グループで外国語を学ぶメリットとデメリットについてまとめてみます。
・受講料が安い。
・他の学習者がいることで発話のプレッシャーが軽減される
・他の学習者から刺激を受けられる。
・楽しい雰囲気でリラックスしてレッスンできる場合が多い。
・学習者同士で助け合えるので初級者向き。
・学習仲間ができる。
・発話の量が減る。
・同じグループの人と気が合わない場合がある。
・他の学習者に自分の発音を聞かれたくないと思う人には不向き。
・自分のやりたい内容やペースは主張できない。
・他の学習者が話している時に気を抜いてしまうなど集中が切れがち。
あまり効果がなかった学習方法
続いては成人が会話力、スピーキング力を高めるのにあまり効果がなかったと思うものについてお話しします。
聞き流し
ALCのヒヤリングマラソンという聞き流しの教材、英語を学習している人なら聞いたことがあると思います。テキストは見なくてもいい、ひたすら聞き流して英語の発音やリズムに慣れ、そのうちに１つ１つの言葉の意味が掴めるようになってヒヤリング力が上がるという夢のような教材でした。
私は確か大学卒業して数年して英語力が落ちてきたのを感じて購入し、しばらくやってみたんですが、正直特に効果は感じられなかった、というか続きませんでした。
聴きながら寝るとか、何か他のことをしている時に流しておくとかそんな使い方が推奨されていてやっていた時期がありますが、やっぱり単に聞き流して何かが残るというのはなかなかありませんでした。
それでしばらく家で眠らせていたら、仕事で外国人に会う機会ができた父が興味を持って少しやっていた時期があります。父は英語は挨拶しかできないレベルの超初心者。基礎が何もない状態でのヒヤリングマラソンは全く効果がなく、すぐにやめてしまいました。
長期間継続してディクテーションやシャドーイングなども真面目にやれば効果が出るのかもしれません。しかし初心者の父も上級者の私も続かなかった教材です。
この教材に限らず、音源を他のことをしながら、または寝る時に「ただ聞き流す」学習方法はなかなか効果が出にくいのではと思っています。
その根拠として、会話力をつけるにはインとアウトのセット練習が欠かせません。聞き流し教材のコンセプトは日本にいながら英語を大量インプットできるというものがあると思いますが、大量インプットしたら少しでもアウトプットしないと身にはつきません。
日本に住んでいて聞き流しだけで英語を学習している場合、アウトする機会がなくて頭がパンクしてしまいます。隙間のない状態になったら後はいくら聞いても右から左〜ですね。
タレントのインタビューやニュースを聞き流してもそれと同じフレーズを自分が使う場面がないので速攻忘れます。語学学習の最も効果的な方法はインしたらすぐアウトすることです。
ある文型を習ったらすぐにそれを使った自分で作った文をアウトする。それを繰り返して初めて自分のものになります。なので、聞き流し教材だけでは効果が出にくいと考えます。
単語帳
中高生の勉強では必須の単語帳ですが、成人には向きません。単語帳は単語をひたすら暗記するものですが、この「ひたすら暗記」というやり方は記憶力が低下している上に他のことで忙しい成人には全く向きません。単に苦痛・・・。
成人に適している単語の覚え方は、文の中で覚えるやり方です。成人の脳はなんでも意味づけしたがります。意味と使う場面が明確な場合のみ、記憶に残ります。聴解や会話レッスンの時に出てきた新出語彙やキーワードをチェックしておいて、時間があるときにノートに例文と一緒に整理するのがいいです。例文はできるだけたくさん読んだり書いたりして、使うシーンをイメージするようにすると記憶に残りやすいです。
英語アプリ
今は様々な英語学習アプリが出ていて、手軽にできるのが人気ですよね。これは継続できれば効果があるのだろうと思います。でも私のような昭和生まれのアナログ人間はAI相手だとなんか続かないんですよね・・・。どなたか同意していただけますか（苦笑）
デジタルネイティブの子供たちや若い世代ならうまく使いこなせるのかと思いますが、私はやっぱり人間相手に会話練習したいし、ドラマなどラジオでも生身の人間を感じたいんです。語学はコミュニケーションツールだからです！！私は外国語を学ぶ目的はAIと対話したいわけではなくて生きている人間と対話したいからです。
終わりに
英会話練習の方法も人によって好みや適した方法があり、それぞれ年齢やそれまでの学習状況、置かれている環境も才能も違いますので上記のやり方で必ず英会話力が身につくとは限りません。でも実際に私はこういった方法を実践してきて3週間以上の英語圏滞在なしに外国人と英語でコミュニケーションし、マレーシアなどで生活できる英会話力を身につけましたので、１つでも参考にしていただければ幸いです。
Never give up!
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